『思い出のファミコン』が本になりました
 

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ボンバーマン ボンバーマン
ハドソン
1985.12.19発売
©1985 HUDSON SOFT

パッケージイラストのボンバーマンのプラモがあったら欲しい

 武器である爆弾の使い方がすべてであるこのゲーム。ブロックを吹き飛ばし、敵を吹き飛ばし、自機をも吹き飛ばす、触るものみな傷つけてしまうデンジャラスな爆弾を炸裂させる爽快感がたまりません。パワーアップすればするほどリスクが高くなるゲームバランスもたまりません。

 敵が爆風に消し飛ばされる刹那の表情も非常にキュートで、罪悪感さえおぼえるほどです。でも、思い詰めたような表情で一心不乱に「死ね!死ね!」とつぶやきながらゲームする人もいるので、そういうときは、この人、心病んでるなぁ、と優しく見守ってあげましょう。

 今ではすっかり可愛らしいデザインのボンバーマンですが、初代のパッケージイラストはかなりメカニカルで機動戦士チック。プラモで発売されれば即買い間違いなしのイカしたデザインでした。現在のファミコンブームに便乗して発売してくんねえかな〜。

寄稿:E-AN-BUY 男 1974年生 静岡育ち Tシャツクリエイター ホームページ


勢いで進めて気がづけば最終面

 私が初めてクリアできたゲーム。敵を順序よく倒すということで結構頭を使った気がしました。最後の方は勢いで攻めていくってかんじで「ぐおー」と燃えて。「やったあー! さて、次面もガンガン(死語?)いくぞー」と思ったら・・・それが最終面でショックだったのを覚えています(何面で終わりとか全然知らなかった)。

 のちにそれ以降、最終画面を見るゲームはなくなってしまいました(苦笑)。まあ、一度買えば一生もつってことでお買い得なんだと言い聞かせましょうか??

寄稿:ももりん 女 1967年生 愛媛育ち


盛者必衰の理(ことわり)

 増え過ぎた力は自らの身を滅ぼす・・・。このゲームをやれば、その言葉が嘘でないことを身をもって思い知ることになる。『ボンバーマン』は人生における大事な教訓をあなたに教えてくれることだろう。

 最初は非力な主人公もパワーアップアイテムを取ることで段々と強くなる。ここまではいいのだが、このゲームは「自分の置いた爆弾で自分も死ぬ」というある意味リアルなシステムが特徴的だった。つまり、過剰なパワーアップは自らの死につながる。俗に言う「諸刃の剣」である。

 パワーアップを繰り返し、強力な爆風で敵を焼き払う。死と隣合わせの危険を分かっていながらも、強大な力を手に入れると人は増長するものだ。パワーアップが止められず、肥大化してゆく自分の火力をコントロールできずに自爆・・・。死ぬ時はいつもそのパターンだった。そして、一度死んだら最後、武装は初期状態に戻される。「奢れる者も久しからず、ただ春の夜の夢の如し」そんな感じである。

寄稿:Peco 男 1979年生 兵庫育ち デザイナー


父がオールクリア後にみせた勇姿

 ハマリにハマリました。自分でプレーするときは、ズルイんですけど、邪道なんですけど、最初にパスワードを入力し、1ステージから全ての武器を備えた状態でゲームを始める卑怯な手段を使ってました(高橋名人の本に書いてあったのを使ってたんですよね〜)。

 このゲームは父が毎日格闘していて、家族で父を応援しながら見てたんです。父がクリアしたときの瞬間、そのワンシーンはずっと覚えてます。家族中で歓声を上げました。

 そしてもっと印象深かったのが、このクリアしたあとの父の態度!! あれだけ毎日必死に格闘していたのだから、クリアしたらしばらく画面を眺めて余韻に浸るのかと思いきや・・・。父は、「じゃ、俺戻るわ」とばかりに、自分の部屋へさっさと戻っていったのです。「カ、カッコエエ〜!!」と驚きました。家族の団欒と父の勇姿にイチバン貢献したソフトでした。

寄稿:ナナ 女 1976年生 大阪育ち カメラマン


暗誦歌

 当然このゲームがストレス解消に役立ったのは言うまでもナイ。ま、ステージが若いほど自分も弱い(というより爆弾が弱い)ので初期段階では逆にストレスがたまるのだが・・・。

 しかしストレス持ちだった僕を助けたのはそれだけではナイ。実は地理の勉強に大いに役立った。あの無機質なBGMが、だ。かつてスリランカの首都は「コロンボ」だったが、遷都により「スリジャヤワルダナプラコッテ」という、一度聞いただけでは絶対覚えられない町になった。ど〜でもいいコトを意欲的に覚える僕は(つまり「トリビアン!?」)、当然この名もインプットしようと思った。だが、とてもじゃないが覚えられない!

 そこでボンバーマンのBGM!! あの曲に合わせて

♪すりじゃやわるだなぷらこって〜
 すりじゃやわるだなぷらこって〜
 すりじゃやわるだな ぷ・ら・こ・っ・て!(ここはかすれ声)
 すりじゃやわるだな ぷ・ら・こ・っ・て!(ここも)

と一人口ずさんでいた。

 お陰でしっかり覚えてしまい、しかも一緒にプレーした友だちもみんな覚えた。確かにプレー中ずっと歌っていたら覚えるのは当然だ。努力は実ったのだが、知っててもテストには出ず、単なる「無駄知識」でしかない現在・・・。

寄稿:ライデン 男 1974年生 大阪育ち 戦略担当兼作家


自爆系パズルアクション

 初めてファミコン本体を父親が買ってきてくれたとき、セットで買ってきたソフトのひとつが『ロードランナー』だった。その『ロードランナー』で敵役だったロボットが主役として活躍するゲーム、ということで楽しみにしていたのがこの『ボンバーマン』。小学5年のクリスマスプレゼントとして買ってもらったような気がする。

 爆弾で敵を倒し、パワーアップパネルを手に入れ、面クリを繰り返していく内容。用意周到に仕掛けたはずが、気がつけば自らの爆弾に囲まれ自爆、あるいは炎の範囲を読み違えて自爆、などパズルアクションとして秀逸で、「買ってよかった」と思えるゲームだった。(爆弾が破裂した瞬間に、Aボタンを連打しつづければ、そのまま“炎の男”として無敵状態になるウラ技もあったなあ。)

 パズルアクションとしてのかけひきのおもしろさを活かし、後継タイトルが対戦ゲームとしてさらに花開いたのもうなずける。

寄稿:深田 洋介 男 1975年生 東京育ち 編集者 ホームページ

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