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ラサール石井のチャイルズクエスト ラサール石井のチャイルズクエスト
ナムコ
1989.6.23発売
©1989 NAMCO

5分以上石井光三とにらめっこ

 生まれて始めてプレーしたRPGで、説明書もロクに読まなかったため、メッセージの下に出てくる三角の意味も知らず、「画面が止まって進めない!」と5分以上石井光三とにらめっこしていました(^^;) たまたまAボタンだけ押さなかったんです。

 ギャグ満載といったかんじで、少しフザケタ感が心地良いです。復活の呪文スタイルは面倒なのですが、当時のRPGにしては話も凝っていて、街の数もイベントも多めで、飽きずにプレーできました(ちなみに人をすり抜ける裏技を見つけました)。

 初めて飛行機に乗れた時は嬉しかったです! でも飛行機の絵、太短くて不格好で笑ってしまいましたよ。終わる少し前まで「えろまんがとう」に行けると信じていました……。

 BGMもなかなかだと思います。個人的にときお内の曲が好きです。でも毒をくらった音にはいつもビビリます。コンサートには必殺仕事人Vの曲が出てきますね(^^)ところでレロレロレロってなんでしょうか?

 あと、尿意を取り去るためにアイドルに紙おむつをあてがうのは、このゲームでしか体験できないことでしょう(苦笑)。

寄稿:サリー 女 1980年生 大阪育ち 主婦


作り手の好き放題

 脱力するほど崩れたドット絵の敵キャラに主人公たち。特に(なぜか)印象に残っている敵キャラが、「プログラマー」「プログラムのバグ」「イタコのきたろう」etc.……。極めつけはラスボス攻略アイテムの「かこのあやまち」。子供心ながら、なんだかなぁ……と思っていた記憶があります。良くも悪くも、作り手の“好き放題”感の強い作品だったなあ、と思いますね。

寄稿:友 男 1978年生 大阪育ち 風俗店店長 ホームページ


兄に罵倒されてコソコソとプレー

 まず最初に、このゲームへの思い出コラムが寄せられていることに驚いた。とにかく私の周りでは、自分以外は持っていなかったのである。

 当時小3〜小5の私が、ドラクエでもFFでもなく、初めて買ってきたRPG風のソフトに、兄が罵声を浴びせたのをしっかりと記憶している。兄は完全にドラクエの崇拝者だった。無論、チャイクエなど認めるはずもなく、私は兄のいない間にコソコソとゲームしていた。

 ゲームの内容は少しあやふやだが、「よいしょ」や「おひねりをもらう」やら、「伝説のオリーブ」(←??オーブだったか?)を探すなど、私としてはかなりやりこんだ感がある。なつかしくなって押入れを探すも見つからず、残念。

 結局、兄はチャイクエをクソゲー扱いして遊ばずに、最後までバカにしていた。最終的にヤツが処分したのか……謎のままだ。

寄稿:キャンセル 女 1977年生 愛媛育ち 事務員


同世代にこのゲームについて語ることのできる人間がいなかった

 小学生の頃、まわりのみんなはスーパーファミコンを手に入れていたのに、わが家はファミコンオンリーだった。ソフトも中古ショップで1,000円以下のソフトを買ってもらうのが精一杯で、メジャーなタイトル(ドラクエ、ロックマン)なんて買ってもらえなかったので、RPGゲームなんて滅多に手に入らなかった。そんな時、姉が380円で買ってきたのがこのゲーム。

 まわりの友だちは誰も興味を持ってくれなかったが、僕と姉の間では空前の大ヒットだった。序盤で苦しむ「おすもうにんじん」にキリコたちがセクハラを受けて何度も事務所に帰らされた時には、カセットを叩き割ろうかと思ったけど、今思うとRPGで苦労をしたゲームはあれが初めてだったんだな、と思う。

 どう見ても嘔吐物や排泄物に対してごまをする主人公のマネージャーに共感は持てなかったけど、誹謗中傷をさらりと聞き流せたときの人間的な成長や、チャイルズが売れて(作品の中で)、クリアかと思ったら思わぬドラマが展開した時は、筆舌に尽くしがたい感動を覚えたものだ。

 ただ、同世代に(というかどの世代にも)このゲームについて語ることのできる人間がいなかったことがなんとも寂しいものだと振り返って思う。姉とはいまだにチャイルズの話で盛り上がるけど……(笑)。テレビでキリコさんを見ると、コマンドならぬフマンドを思い出すのは僕だけではないと信じている。

寄稿:シュリモン 男 1984年生 東京育ち システム保守業務


「アイドルの尿意をおむつで処理」

 基本はドラクエと思ってくださればけっこうです。ただし、町の外をしばらく歩くと3人のうち誰かが尿意をもよおします。放っておくと我慢の限界に達して「おもらし」してしまい、ゲームの続行が不可能になりますので、アイテム「おむつ」をあてがって尿意を取り除きましょう。

 この、「アイドルの尿意をおむつで処理」の作業が、このゲームの比重50%を占めるといっても過言ではありません。3人の尿意を示すパラメーターが臨界点に達しないよう気を遣いながら、敵とギャグバトルを繰り広げていく主人公。遠征するにもおむつ、ダンジョンに潜るにもおむつ。今まで数多くのRPGをクリアしてきましたが、このゲームほどバカバカしく、やる気をそぐ作品をかつて見たことがありません。

 「毎日が暇でしょうがない、何か暇つぶしはないものか?」そんな悩みをお持ちの方、ぜひプレーしてみてください。一度きりの貴重な人生を効率よく浪費できること請け合いの逸品です。

寄稿:yuusuke 男 1978年生 東京育ち 地方公務員


アブノーマルな世界についていけず

 「なんや、このドラクエくずれは・・・。」これがリアルタイムでプレーしていた頃のボクの感想だ。もちろん、面白味を感じる間もなくクリアは断念。

 そして・・・2003年、ファミコン生産中止。ある日、ゲーム屋の中古カセットのワゴンをのぞいた。ボクは再びチャイクエに出会う。

 改めて感じる当時のナムコの開発力とやる気を疑うグラフィックとシナリオ。アイドルがお漏らしし、プレーヤーであるマネジャーがおむつをあてがうというアブノーマルな日常行動を繰り返す。やはり馬鹿馬鹿しさにレベル20でクリアを断念。

 時を同じくして。元チャイルズの磯野貴理子さんはマネジャーと結婚。彼女には、自分がゲームになっていたことはおそらく記憶の片隅にも無いであろう。どうかお幸せに。

寄稿:こくおう 男 1977年生 福井育ち 会社員

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