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ディープダンジョンII 勇士の紋章 ディープダンジョンII 勇士の紋章
スクウェア
1987.5.30発売
©1987 SQUARE

操作と感覚が思ったより難しく断念

 兄に頼まれて、隣町の玩具店まで書き換えに行ったディスクソフト。その日は夏休みの真っ只中であり、ものすごく暑かったことを覚えている。

 私は、兄が嬉々としてプレーしているのをかたわらで眺めているだけだったが、当時珍しい3Dビューが自分の興味をひいた。しかしファミコンの所有権は当時兄にあり、妹である私はなかなかやらせてもらえなかった。

 なので、兄がゲーム機を離れている隙を突いて、少しだけ触ってみた。操作と感覚が思ったより難しく、同じ場所をぐるぐると回るのみ。前に進むことすらできない、というかそれ以前の問題である。

 3Dビューにすっかり懲りた私は、このゲームに関しては兄のプレーを眺めるのみになってしまったのだった。

寄稿:Cless 女 1975年生 茨城育ち 会社員


ドラクエブームを良しとしなかった自分がまともに向き合ったRPG

 子供のときからひねていた自分にとっては、ドラクエブームに乗っかることを良しとしなかった。そんな自分がまともに向き合ったRPGがこれだった。当時としては珍しかった3D RPG。そして何より結構単純そうに見えて難しいゲームだった。

 指輪がなくてレベルを吸い取られ泣いた日。また、天馬の羽がなくてB4Fに行き、戻ることもできず彷徨った日。マップを6o方眼紙に必死に書いて、マップを完成させた日。そしてラスボスと思って対決したルウが実はラスボスでないことが判明して、さらに彷徨った日。そしてラスボス「魔王」を倒して喜んだ日等々。そしてそれを演出する、BGMの数々。(後年耳コピで一曲だけ復活させた。)全てが、若き日の思い出だ。

 今のヴィジュアル面だけを重視したゲームでは考えられないほど粗雑な画面だったけど、そんなことは関係ない。今のようにCD音質では信じられない単純で酷い音質。それも全く問題ない。とにかく面白かったのだ、当時のゲームってやつは。

 親切すぎるし、また何かこう作ってる奴の情熱とか苦悩が感じられない、綺麗で初心者向けで、そして商業主義丸出しのゲームじゃないものが、確かに存在した、あの時代には。

寄稿:Z.Z 男 1976年生 兵庫育ち 国家公務員

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