『思い出のファミコン』が本になりました
 

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時空勇伝デビアス 時空勇伝デビアス
ナムコ
1987.11.27発売
©1987 NAMCO

厄介払いでもらったソフト

 ある日、後輩の家に遊びにいったところ、そいつから「先輩、これあげるよ」とニヤニヤしながら渡されたのが、この作品との出会いでした。さっそくプレーしたいと申し出たところ、「いや、家帰ってやったほうがいいよ! うん、楽しみが増えるしな!!」と力いっぱい拒否されました。

 家に帰り、ファミコンの電源をONしたときの衝撃はうまく言葉で言い表せません。あとでファミ通に、「ナムコのコーヒーブレイク」と評されたクオリティは、ぜひ実際にプレーして味わっていただきたいものです。

 翌日後輩を問い詰めると、「オ、オレもそれ○○からもらったんだ。でもクリアできそうになかったから……」とのこと。その○○はかなりのゲーマーです。彼が放り出すほどの作品は、後輩を経由してわたしの手へと厄介払いされたのでした。

 わたしはそれ以来、プレーはまったくせず、放置していました。しかしあまり普段ゲームをしない妹が、友だちとキャーキャー言いながら楽しくプレーしていたのを目撃して、びっくりしました。操作性の悪さ、同じ画面ばかりで迷いやすいダンジョンなどものともせず、彼女らはデビアスをあっさりとクリアしてしまったのでした。

 その後、自分でもクリアしましたが、結論から言えばかなりこのゲーム好きです。中ボスの電波っぷり、エンディングもなんともヘッポコでいい味です。

 ちなみに、デビアスの町の人は徐々にさらわれていなくなり、ダンジョンに捕らえられる予定になっていたようで、アーロンのおまもりでその人数が確認できるとマニュアルに明記してあったものの、実際にはそんな仕組みは皆無でした。

寄稿:もにゅるん 女 1972年生 会社員


ルーレットに頼らず根性でクリア

 幼稚園のときに買ってもらいました。ソフトの箱の中に、説明書と一緒に梱包されていたルーレットみたいなもの。友だちの家で遊んで持って帰るのを忘れた翌日、その子の母親が謝ってきた。どうやら親子喧嘩に巻き込まれ。ルーレットが再起不能になったらしい……。何回か挑戦するが諦め、しばらく放置。そして親の転勤で引っ越し。

 そして、小4ぐらいの時に思い出したように再開。ルーレットに頼らず根性でクリアしました。ものすごく疲れたけど、自分の成長に感動!! エンディングより、なぜかゲームに無関心の姉に褒められたことが記憶に残っている(笑)

 その後、仕事の関係で、引っ越し後も親父同士は会っているらしく、ルーレットを壊した子はファミコンを直しながら使ってるらしい。「スーパーファミコンが欲しい? お前も見習いなさい!」とか言われる。そのときの怒りったらなかった。

寄稿:かず 男 1982年生 サラリーマン


「嘘つきアーロン」

 このゲームはテレビCMが印象的で、それが理由でどうしても欲しくなってしまった。今思えば、当時はそんなにたくさんのソフトを持っていたわけではないのだが、本当に欲しいゲームだけは買ってもらっていたので、まだ恵まれていた方だと言える。

 このソフト、「アーロンのお守り」という円盤状の付属品が同梱されていて、それを駆使して遊ぶようにできていたのだが、これがなかなかのクセ者。ちょっと特殊な使い方をするため、正しい使用法を把握せずに進めてしまっていた。

 そうすると当然先々で支障が出てくるわけで、3つの扉のうち、まやかしの2つを避けて正しい1つを選ぶ、という謎解きでこの円盤を使うのがゲーム攻略の上での肝でもあったのだが、誤った使い方では正解が導けるはずもなく、スタート地点からやり直し。あとは行って戻っての持久戦である。

 おかしいことに、同じものを持っていた親友も使い方を間違えていていて、二人で「嘘つきアーロン」呼ばわりし、挙句に円盤に頼ることなく、根性でクリアしてしまった。

 エンディングは2種類あり、どちらも数分間放置しておくと妙な寸劇が見られるのだが、実は円盤の正しい使い方ともども、初めて知ったのはつい最近のこと。「なんだそれ」と、少しだまされたような気分である。買ってから20年近く経とうというのに、今頃になってようやくすべてを見られるとはなんだか感慨深い。

寄稿:KK 男 1976年生 愛知育ち 自営業

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