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ファイナルファンタジーII ファイナルファンタジーII
スクウェア
1988.12.17発売
©1988 SQUARE

見ていただけでも思い出に

 中・高生時代、S君とよく遊んだのですが、多分このFF2だと思います。氷の湖を舟のようなもので進むシーンとか、アイシクルという敵キャラが印象に残っています。

 自分はS君宅で、S君がプレーするのをかたわらで見ていただけなんですが、おそらくこれからもこのゲームをプレーすることは無いと思います。ただ、ドラクエシリーズとは違い、色気があるというか、よく作りこまれているなぁ、といったような思い出はあります。

 思えば中・高生時代のS君宅は、ゲーム、アニメ、映画など多感な時代に夢中になるものに接したり、見たり、遊んだりできる特別な空間でした。お互い多感な年代でしたし。

 あれからだいぶ年月が経ちますが、S家では3年前の冬にお父さんが亡くなり、母親代わりだったおばあさんも今ではS君宅に住んでいないみたいです。S君自身も今は都会で働いていて、青森に戻ることはそう無くなりました。でも、今でもたまに思い出したりします。80年代後半から90年代前半の良き時代を。

寄稿:sato  男 1974年生 青森育ち 無職


「ちせい」が1

 「中古で5,000円? ほとんど新品の値段じゃねーか! でも新品がないならしかたないよね、買うしかない。」それほど買いたかったゲームがこれでした。友だちから借りてやったのですが、途中で返してしまい、やりたくてしかたがなかったのです。

 レベル制の今までのRPGと違ったのは、ステータスが下がってしまうこともあること。私のフリオニールとガイは、ステータスを見ると誇らしげに、そうあるべきであるかのように「ちせい」が1でした。

 とにかくやっただけ強くなるとかいうのではなく、自分の行動が影響した結果が出るということに感心し、ますますはまりました。加えてドラマチックな展開に胸は高まり……、いやー、楽しかった。

 同じ物を出してくれとは思いませんが、あのときに興奮したようにまた、おもしろいゲームがないかなと思います。

寄稿:もよもと 男 1976年生 青森育ち 会社員


胸にずっしりくる内容の濃さ

 初めてやった時はダンジョンの難しさに戸惑ったことを覚えています。ドラクエで培った逃げる戦術もあまり効果がなく、ギガースに瞬殺されたり、バシリスクに石にされたりと、ミシディアの搭で断念したことを覚えています。

 時は流れて12年後、大学で留年し時間が余った私は、改めてFF2をプレーしてみた。PS2に比べると遥かに劣る画質、しかしながら胸にずっしりくる内容の濃さ。エンディングで現れたヨーゼフ、ミンウ、リチャードたちに涙。

 ゲーム中はあの幼きころに戻った気がしてちょっぴり切なく懐かしい。一緒にFF2やってたS君、ファイアの本装備してデータ消してごめんよ。

寄稿:テンスイ 男 1980年生 島根育ち 品質管理


「コマンド→キャンセル」の繰り返しの果て、ラスボスをひと振りで倒す

 このゲームにはドラクエのようなレベルアップの概念がないため、自然とキャラが強くなっていく。そして、どんなふうにキャラクターを育てるかはプレーヤー次第。そこが魅力でもありました。

 ぼくの友だちだったヨウヘイ君。彼のこのゲームにかけるこだわりというか、執念はすごかった・・・。何がすごいって、戦闘画面に入ると、たたかう→キャンセル→たたかう→キャンセル・・・をくり返すこと、何回か覚えてません。とにかく、彼は魔法にしても、何にしても、ひたすらコマンドを決めてはキャンセルの繰り返し。

 その結果、HPは初期値のままで、その他の「ちから」や「ちせい」、「けん」、「まほう」などの各種パラメータが、「ら2」とか「A5」と、バグるまでべらぼーに上昇しまくりでした。ラスボス「皇帝」を、フリオニールのひと振りでケリをつけたのを今だ鮮明に覚えています。戦慄が走りましたね。マジですよ、これ。

 ぼくも試したけど、ゴブリンの攻撃であっさりとHPが上昇してしまい、早々と断念・・・。ヒマな方は、一度チャレンジしてみては?

寄稿:Morris 男 1977年生 熊本育ち 会社員


よくわからないことが多い

 壮大なストーリーに深みのあるキャラ・・・(か?)。僕はFFシリーズで一番最初にこのFF2をやった。

 箱絵の天野義孝さんの絵は凄みがあり、とてもおもしろそうだった。半ばワクワクしながらカセットを入れ、オープニングの意味深そうな文字を読んでいると、僕の目にひとつのあってはならない文章が入ってきた!

「てったいしなければ ならかった」

な、なんだこれはー!! 不注意なのか、ギャグなのかー! とにかく僕はボーゲン伯爵が裏切ったから反乱軍は敗退したと聞かされながら、ミスリルがないから負けたのですとも聞かされる。

 矛盾だらけで、ひたすらチェンジの魔法でステータスを上げられるキャラの強さとはいったい何なのか。ともかくこのゲームをとても愛し、やりこんだ記憶があります。あぁ、でも二度とやりたくねぇや。

寄稿:江戸っ子 男 1980年生 静岡育ち 漫画家


斬新な成長システム、切ない雰囲気がよい

 小学生の時に友達から借りてやりましたが、正直まともにやったら自分たちが育たないので、友達の助言どおり、味方同士で攻撃しあって強くしていきました。レベルのないシステムは今でも斬新だと思います。

 私はFFはIとIX以外は全てやりましたが、ストーリーやキャラクターはIIが一番素晴らしいと思います。(シドがカッコイイ!)本当に、物悲しいサウンドや荒廃したような雰囲気がいいと思います。魔法で実際使えるのは回復と補助系だけというカナシイ設定でしたが、仲間達の死を乗り越えて戦ってゆく主人公たちが物凄く切ないのです。これを今のプレステ2でリメークしても、うまくすればきっとすごい作品になると思います。

 なぜか小学生のハナタレだった私は、仲間のヒロインみたいな女キャラに、ひらがなで「げりあっぱ」というわけのわからない名前をつけて喜んでいました。あっぱというのは私の地元の言葉で、うんこのことです。でも、げりあっぱのバーサクレベル16がなかったらきっとクリアーできなかったでしょう。

 何はともあれ、IIIとは違った意味で名作なのは間違いないと思います。

寄稿:シン 男 1980年生 福井育ち フリーター


FFの壮大な人間ドラマの真髄

 スクウェアの送り出したファイナルファンタジーシリーズ、その中でも異色といわれる名作RPGである。

 賛否あった独特なシステムもさるものながら、主人公達が帝国に逆らう反乱軍という設定。なにか全てが荒廃しきったかのようなすさんだ雰囲気。どこかもの悲しげなサウンド。次々と迫りくる仲間の死・・・。それはファミコンの次元を超えて繰り広げられる怒涛のドラマなのである。

 数々の犠牲、壮絶な激闘の果てに得るものは本当に勝利なのか。エンディングでのダンス、それは勝利の歓喜なのか。それとも嘆きと鎮魂の舞踏なのか・・・。勝利などどちらの側にもない。そんな虚無感。

 私的にはヨーゼフが岩の下敷きになった後、奥さんに会いにいけなかったことを思い出す。ゲ−ムにも関わらず、容易に楽しむのをためらってしまうような迫力。クリアしてもなお消えることのない心の圧迫感。FFの壮大な人間ドラマ。その真髄がここにあった。

寄稿:うに ホームページ

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