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フロントライン フロントライン
タイトー
1985.8.1発売
©TAITO CORP. MCMLXXXV

トイレに行けない!

 当時、僕は小学生! あるショッピングセンターのゲーセンでこの『フロントライン』に出会った。

 地面をテコテコテコと這いずりまわる!?(笑)青い軍服を着た兵士が、銃や手榴弾を投げて前線を進む……んっ!?このゲームの名はフロントライン(=フロントライン)、なるほど!そう言う意味か、と気づいたのは数年後だった。

 なんといってもこのゲームのちょっとした楽しみ方として、小型戦車と大型戦車の乗り降りを繰り返して、数台の戦車をストックできるという遊び方があったのだ。僕は少ないお小遣いながらも、かなりハマった記憶がある。

 そして数年後、ファミコンの黄金時代がやってきた! もちろん僕も例外ではなく、まだボタンが四角いゴムタイプのファミコンを購入。『マリオブラザーズ』や『ドンキーコング』をプレーしていたある日、あのタイトーから『フロントライン』が発売するとの情報を知った。

 あのゲーセンで、なけなしのお小遣いで遊んでいた『フロントライン』が、家でプレーできるなんて夢のようなお話! これは絶対に買わねばと、今か今かと発売日が来るのを待った。

 そして某日、ついにファミコンソフト『フロントライン』を購入! さっそくプレーしなければ、と箱を開けカセットを取り出して、ファミコン本体にセット。遊び方はすでにゲーセンでやり込んでいたから、説明書なんて読まなかった。そして念願のプレー。ワクワク!!

……う〜ん、『フロントライン』てこんなもんだったかな? ゲーセンでやり込んだせいか、ファミコン版は違和感を感じて、どうもイマイチだった。まっ、贅沢は言えないか、ファミコン版だしな!と納得しながら、プレーをし続けた。

 すると急にトイレに行きたくなった。これは一時中断せねば、とポーズボタンを押した。あれ?画面が止まらない?! もう一度ポーズボタンを押す。それでも止まらない!

 マジっ?ファミコンが壊れたのか?あせる僕。でも、画面のキャラは動くし、プレーに支障はない。ではなぜ? 僕は初めて説明書を読む。するとそこにはこう書かれていたのだ!

「このカセットにはポーズ機能はありません」

 なんじゃこりゃぁ〜! それならどうやってトイレに行けっていうんだ? そんなのありかよぉ〜、と心に叫びながら、僕はリセットボタンを押してゲームをやめた。

寄稿:黒河幸治 男 1969年生 福岡育ち 自宅警備員


姉と分業プレー

 4つ年上の姉とよくやってました。当時のソフトはなぜか1コンでも2コンでも動かせるものがあって、プレーヤー移動は1コン、手榴弾投げは2コンと分担し、姉と同時プレーをしていました。

 他に同時に動かせたソフトは、『バンゲリングベイ』、『けっきょく南極大冒険』、『いっき』、『東海道五十三次』など、いろいろあったと思います。

寄稿:777 男 1975年生 愛知育ち 会社員


ガニマタのまま足首だけでトコトコ進む主人公

 ゲームの主人公は、どいつもこいつも単独で敵の本拠地に突入していきます。この『フロントライン』も例外ではありません。いかにも頼りないガニマタの兵士が、単独で敵陣に殴りこみます。

 縦スクロールの戦場を、ガニマタのまま足首だけでトコトコ進み、主武器は単発のライフル。おまけに物を真っ直ぐに投げられず、彼の投げる手榴弾は全てあさっての方向に飛んでいきます。そんな彼が、一人で敵要塞を撃破しようというのです。血迷うにも程があります。上官は何を考えているのでしょうか。

 さて、戦場を中ほどまで行くと、なぜか捨ててある戦車をGETできます。わあ、これは便利! 困難な作戦にも一筋の光が見えてきますが、戦車を失うと、銃と手榴弾で要塞に立ち向かう羽目になります。で、要塞をやっつけてバンザーイ、バンザーイ。

 ・・・思い出すだにめまいがしますが、なぜか不意にやりたくなる。そんなゲームです。

寄稿:イカリングフライ 男 1977年生 和歌山育ち 肉体労働者 ホームページ

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