『思い出のファミコン』が本になりました
 

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グラディウス グラディウス
コナミ
1986.4.25発売
©1986 KONAMI

現実世界でも僕を支配

 ドッジボール、皆さんもやりましたよね。時折ルールを変えて、ボールを2つ、もしくは3つに増やして遊びませんでしたか?

 味方が次々倒れて行き、ひとりでフィールドに残された時、内野・外野からの集中砲火をかいくぐりながら、私の頭の中にはグラディウスのボスのBGMが流れてました。自分を、火山から噴出される溶岩を巧みにかわすビックバイパーに見立てていたのです。

 「どろじゅん(※地方によっては「どろけい」とも)」でも、仲間の泥棒が次々と捕らえられ、ひとりでフィールドに残された時、巡査たちの手錠をかいくぐりながら、やっぱりグラディウスのボスのBGMが頭の中を流れていました。自分を、空間から突如出現するザブの神風特攻を巧みにかわすビックバイパーに見立ててながら。

 この頃、もはやファミコンは画面上だけでなく、現実世界でも僕を支配していました。

寄稿:淳 / ハローブリッヂ 男 1978年生 神奈川育ち システムエンジニヤ ホームページ


僕の師匠はダブル派

 このゲームに関することといえば僕の尊敬する同級生を思い出します。彼は勉強もそこそこでき、スポーツも抜群! ファミコンを持っていないにも関わらずゲームはめちゃウマという、神様のような人でした。僕は彼のことを「お師匠様」と呼んで、いつか彼のようになりたいと夢見てました。

 当然彼は『グラディウス』も激ウマで、シューティングが苦手な僕は、ただただ師匠のテクに驚くばかり! でも不思議なことに、彼の武器は「レーザー」ではなく「ダブル」だったんです。ほとんどの人がレーザー派だと思うんですが(例の最強装備コマンドもレーザーでしたし)。彼いわく。「俺の連射力とかスタイルを考えたら、ダブルの方が使いやすいねん」とのことでした。

 そこまで自分を分析していた師匠に、小学生の僕は改めて尊敬すると同時に、自己分析の大切さを教えられたキッカケにもなりました。

 ちなみに彼には女性関係でもかなわず、僕の好きな娘の心も奪われてしまいました・・・。

寄稿:ライデン 男 1974年生 大阪育ち 戦略担当兼作家


友達同士で一番に買い、ちょっとしたヒーローだった

 授業の後の休み時間に、ファミコン雑誌に群がり、発売前から僕らの間では盛り上がっていた『グラディウス』。ところがアーケード版をプレーした事がなかった僕は、完全に話題に乗り遅れました。

 不思議と購入するという奴がいなかったので、「こーなったら、親戚のおじさんからもらったおこづかいで、発売日と同時に購入し、皆をびっくりさせてやろう!」と密かに意気込み、ついに連中よりも早く『グラディウス』を手にした僕は、翌日、いつものように攻略本を広げて「あーでもない、こーでもない」と議論している皆の輪の中に入り、「俺、『グラディウス』昨日買っちゃった!」とさりげなく自慢しました。早速友達から感嘆の声と共に「やらせて!」「今日家遊び行ってもいい?」と大盛況で、下校時間までちょっとしたヒーローでした(今考えると、いやらしい子供ですな!)。

 数ヵ月後の休み時間。皆が「『グラディウス』みたいな横スクロールシューティングって他にもあるのかな?」という話になり、『グラディウス』で気を良くしていた僕は、また皆の先を越してやろうと企み、『バルトロン』というゲームを手に入れ、自慢モードに入りましたが、案の定クソゲー扱いされ、見事に撃沈したのは言うまでもありません(泣)。

寄稿:とおる 男 1973年生 福島育ち 会社員

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