覇邪の封印
アスキー
1987.10.23発売
©1986 光画堂スタジオ ©1987 ASCII
ゲームクリアで子供の頃の封印も解ける
うちにファミコンがやってきてまだ間もなかったとき、私より4ツ上の姉が父親に頼んで、わざわざ休日の朝早くに県境の安売り電器店まで行って買ってきた。
パッケージの中には勇者フィギュアと、紙だか布だか微妙な質感のMAPが入ってた(つい最近までオマケだと思い込んでいた)。自分の現在位置がわかりづらい画面、極悪に強い敵、さらにBGMが「ドナドナ」のイメージで、まだ幼かった私にはトラウマ的ゲームとなったのだった。
月日が流れて大人になった私。「子供の頃できなかったことができるかも!」という妙な自信で、押入れに封印してあったこのゲームを引っ張り出した。・・・が、やっぱり難しい。最近のぬるいゲームに慣れてしまっていた私は半分意地で、ドナドナの空気の中をプレーし続けた。
めでたくゲームクリアしたときは、『覇邪の封印』とともに、私の幼かった頃の封印もきれいさっぱりになったと実感したのだった。
寄稿:Katie 女 1978年生 千葉育ち アルバイト ホームページ
キングオブ方眼紙ソフト
今思うと、よく小学生でクリアできたなあって思う。まわりの友だちが流行のタイトルで熱くなっている最中、僕はこのゲームでひたすら頭を悩ませていた。ファミコンの中でもクリアが難しい方だと思うこのゲーム。ちょっと山岳地帯に侵入すると馬鹿強い敵に遭遇するし、ダンジョンのマップなんて方眼紙に記録していかないとまず覚えられない。パスワードも長い。
当時裸ソフトのみ友だちから借りて、マニュアルなしで進めていった僕。あの敵との絶妙な会話シーン。すごい金を落としてくれる、赤い服のおじさん。妙に色っぽい二人目の女の仲間。そしてあるダンジョンでマップを記録していくうちに、ゲームのヒントとなる文字が浮かび上がって来た時は驚きと感動が僕を襲った。
ゲーム序盤に強すぎて必死で逃げていたモンスターを、集めた仲間たちと楽勝で倒せるようになった時は非常に充実感があったなあ。
過去他のタイトルでも何回か方眼紙を使用したが、このゲームがキングオブ方眼紙ソフトだろう。
寄稿:鈴木 伸明 男 1978年生 北海道育ち シンガーソングライター ホームページ
おまけ付きの豪華なパッケージに目がくらむ
このゲーム発売されたころ、「ドラクエII」がゲーム界の話題の中心となっていて、RPGが広く浸透してきていたころだったと思います。ドラクエ以外のRPGをやってみようと思い、祖母にねだって買ってもらったと思うのですが、付属されていた主人公のいる位置を把握する為の地図と、小さなフィギュアの入った大きなパッケージが幼なごころに豪華に見えて、RPGだということ以外に何も考えずに買ってもらいました。
帰ってさっそくやってみると、砂漠地帯に主人公と妖精がたたずむ画面がひたすら続き、ドラクエのような画面を想像していた僕は、地図を見ながら主人公の位置を把握しなければいけないということにそのとき初めて気がつき、ショックを受けたのでした。
地図上での位置確認を少しでも誤ると、たちまちどこに自分がいるのかわからなくなり、加えて難解な謎解きをしなければならないゲーム。小学生時代の僕はやがてついていけなくなり、高額だったそのゲームの箱は翌日より開けられることはありませんでした……。
寄稿:旨茶 男 1977年生 兵庫育ち 配達員 ホームページ
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