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ジーザス ジーザス
キングレコード
1989.3.17発売
©1989 キングレコード

最後まで怖いゲーム

 友人がとても大切にしていたソフトだった覚えがあります。たしかイラストが好きだと言っていたような気が……。私としては怖いイメージが強く残っていて、いまだに怖いファミコンソフトの上位にいるゲームです。

 あの、誰もいない船内を歩く音や、扉を開く音、エネルギー室とか冷凍庫とかのBGMはドキドキするし、仲間の遺体を発見したときの効果音なんかはもう……。ちょっとしたトラウマものです。

 ストーリーはとてもすばらしいし、クリアした時は感動ものなんですがねー。最後のペットロボットのセリフが意味深で、やっぱり最後まで怖いゲームでした。

寄稿:いーちゃん 女 1979年生 北海道育ち 会社員


「素の自分」で感動

 自分がこれまでプレーしてきたアドベンチャーゲームで、一番印象に残っているのがこのゲームであった。たまたま購入したこのゲーム、今となってはこういうストーリー性の高いアドベンチャーゲームはいくらでもあるのだが、当時これだけストーリーに引き込まれるアドベンチャーゲームにめぐりあったのは本当に衝撃的だった。次々と死んでゆく仲間たち。いつも「次はどうなってしまうのだろうか?」など、いつもドキドキしながらプレーしていた。

 その中で、一番感動的だったのは、医務室担当の「朱芳花(しゅ・ほうか)」さんが死ぬ間際に、主人公の速雄(はやお)と交わした会話のシーンである。「私を忘れないで」「速雄の手が暖かいわ」「エリーヌ(速雄の恋人)はいい子よ。だから大切に」「私は医者だから、もう駄目だとわかる」そして最後に、「何だか眠くなってきた、お願い! 眠らせて・・・。」と言って息を引き取ったのだった。

・・・はっきり言って泣けた。今でもこのシーンは、自分の記憶の中に鮮明に残っている。まさにこのゲームはアドベンチャーゲームの名作だと思う。エンディングの曲を聴いた時もマジで泣けた。まるで映画とも思えるストーリー展開、BGM、演出、全て最高だった。

 ストーリーに引き込まれることっていうのは、ゲームだけじゃなく、小説や、映画、テレビ番組、etc.・・・。たくさんあるが、そのストーリーに引き込まれているときって、うまく言えないのだが、「素の自分」になれたような気がして、ちょっとだけ嬉しい気持ちになるものである。このゲームには、そういうことを感じさせてくれる魅力があったことに、間違いはないだろう。

寄稿:クリボー 男 1976年生 宮城育ち スポーツインストラクター

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