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ウィザードリィ ウィザードリィ
アスキー
1987.12.22発売
©1987 ASCII

夜の学校へ忍び込む「ウィザードリィごっこ」

 僕が小学生のとき、仲良し四人組で「ウィザードリィごっこ」というものをやった。その内容はなんのこっちゃない、ただ夜の学校へ四人で忍び込むものだ。

 道に落ちていた木の棒を「きりさきのけん」とか言いつつ装備して学校へ向かった。みんな強がりを言ったり、「ワードナは俺が倒す」などと勇者を気取ってはりきったりしていた(ホントは怖くてみんな足が震えていた)。

 非常口の不気味な光の中、理科室にいるワードナ(実は人体模型)のもとへ向かったが、警備員さんに見つかりパーティー全滅……。現在四人は社会で立派な勇者となって戦っている。

寄稿:ちくわ 男 1981年生 神奈川育ち サラリーマン


シンプルなのに実は恐ろしいほどの奥の深さ

 やっぱり思い出のソフトといえば『ウィザードリィ』でしょうか。まさに名作中の名作RPGです。よくもまあ、このような難易度設定(小学生ユーザーにとって……)をしたもんだ!と当時よく思ったものです。何より、情報少なすぎっ!敵強すぎっ!(スタート当初は相当辛いです……)

 ウィザードリィシリーズはほとんどプレーしましたけど、やっぱり1が一番好きですね。シンプルなのに実は恐ろしいほどの奥の深さ。やることといえば、毎日レベル上げとお宝探し……。

 なんですけど、毎日何時間もプレーしてしまうところがウィズの恐ろしいところでります。

 最近の新作ゲームソフトは、ファミコンソフトのような「バカらしさ?」や、「どうやってクリアするの?」的な要素が皆無なので、プレーすることはほとんどありませんね。「ウィズ」のような名作が出てくることを願う今日この頃です。

寄稿:マーフィー先生 男 1983年生 大阪育ち 学生


想像すればするほど、冒険が自分の体験のごとく感じられた

 小学生の頃、書店で一冊の本を見つけた。『ウィザードリィ・モンスターマニュアル』黒いカバーに緑色のドラゴンが描かれたその本が欲しくて、1,000円近かったけど、購入した。

 読んでみると、PC用ゲームのモンスターの解説書で、その説明書きにすっかり虜になったオイラは、いつしか「ウィザードリィ、ファミコンに移植されないかなぁ……」と夢想するようになっていた。

 ある日、ファミコン雑誌の広告が目に留まった。「……ウィザードリィだ。」即刻母に誕生日プレゼントとしてねだったのは言うまでもない。

 種族、性格、職業の選択の幅が広く、また、自キャラのグラフィックは皆無で文字のみという、自キャラ脳内補完制度(?)。死、灰、消滅という、絶対復活できるという保証の無い死の概念。

 元々、TRPGにハマっていたこともあり、すんなりと打ち解けた。何て感情移入しやすいのだろう。そして、想像すればするほど、地下迷宮での冒険が、城下町の風景が、自分の体験のごとく感じられた。

 12歳から始めて、今でも遊んでいる。稀有なゲーム。

寄稿:NORIMITSU 男 1975年生 東京育ち ダンサー ホームページ


グラフィックに感動

 オレはこのゲームをまず友だちの家で見て感動した。「なんだこのゲームは! 名作に違いない!」感動したのは、ゲーム性ではなく、むしろグラフィックだった。グラフィックといっても所詮ファミコンで、256色しかないのだが、それでもオレは感動した。

 直情型なオレはその場で買うと決めて、お金を貯めてすぐ買った。始めた直後は、ボーナスの違いなど気にせず、戦士のみでチームを作り、早速ダンジョンに入った。とにかく早く見たかったのだ。

 しかし……。グラフィックを見て、頷いてるうちは気付かなかったが、このゲームはとてもシビアなのだと気づいた。

「面白くない。」

 素で思った。後悔した。しかしそれはつかの間で、友だちに教えてもらったオレはゲーム性をすぐ理解し、どんどんゲームの世界に入っていき、スポイルされた。今でもオレは、『ウィザードリー』とそのグラフィッカー末弥純氏にスポイルされている。

寄稿:R 男 1972年生 静岡育ち 経営者


次の購入者にメッセージを残して売る

 学生時、金に困った私はソフトを売ることで急場をしのごうとした。その中には、じゅうぶんレベルが上がった冒険者たち20名弱を内包した『ウィザードリィ』も含まれていた。

 しかし、ただ売るのもつまらなかったので、私はその冒険者たちをリネームし、キャラ一覧画面で文章になるように、次の購入者にメッセージを残すことにしたのだ。たしか、

このソフトの(戦士:LV20)
バッテリーは(ロード:LV25)
そろそろ(忍者:LV18)
なくなるよん(メイジ:LV21)
ざんねん(侍:LV22)

といった感じだったと思う。お心当たりある方、謝りたいので連絡ください(笑)。

寄稿:アキラ 男 1972年生 埼玉育ち 営業 ホームページ


『ウィザードリィ』を面白いと感じることは大人への第一歩

 『ウィザードリィ』なのである。「不朽の名作」と言われるRPGの元祖である。私がプレーしたのは12歳の時。なんと友達が「つまんねーから」と、私にくれたように記憶している。初プレーから数分後、「つまんねー。」の意味がわかる。何をしていいか、まったく分からない。全てが不親切極まりない。あっという間に全滅。「つまんねー。」

 例えばビール。幼い時、そう、まさにファミコンで遊んでいた頃は、美味しいとは決して思えなかったモノ。決して受け容れられなかったモノ。飲み屋の雰囲気。「つまんねー。」

 ところが。『ウィザードリィ』初プレーから数日後。何かをきっかけに、面白いと思い始める。自分で作ったキャラ達。トレジャーハンティング。レベル上げ。ゲームシステムの全てが、今思えば完成されていた。小学生だった私は、いつしか『ウィザードリィ』を面白いと感じていた。ビールはまだ美味しいとは思えなかったが、ちょっと大人になった気がしていた。

寄稿:ひでち 男 1975年生 新潟育ち コンピュータ会社勤務

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