『思い出のファミコン』が本になりました
 

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夢工場 ドキドキパニック 夢工場 ドキドキパニック
フジテレビ
1987.7.10発売
©1987 Nintendo/FUJI TV

記憶のトリガーになるあのポップなメロディ

 このゲームをはじめ、任天堂ゲームのBGMは良質なものが多いが、俺にとってこのゲームの音は、少年時代の特別な思い出に関わるものだ。

 両親の不和。夫婦も結局男と女、わりとよくある話なのかもしれないが、でもやっぱりまだ何者にもなっていない小学生にとっては天地が揺れるような一大事だった。母親は実家に帰ってしまい、俺と弟は父親の実家に夏休みの間だけ預けられることに。子ども二人だけの新幹線、弟が終始べそをかいていたのを覚えている。

 でも結果的に、それは楽しい夏休みになった。4つ上のいとこの姉ちゃんが、俺と弟と、日がな遊んでくれたからだ。山村だったので、山やら川やらに連れて行ってくれて、虫採り、宝探し、秘密基地づくり……。その姉ちゃんもまだ中2だったが、俺たちに「考えてしまう」時間が生まれないように、気遣ってくれたんだろうか。

 そして『夢工場 ドキドキパニック』も、そのとき姉ちゃんと遊んだゲームだ。結構難しくて、姉ちゃんが進めていくのを後ろで見ていることが多かったが、ポップなメロディは心地よく、外で遊んでいるときも頭の中に響いていた。あのサウンドを思い出すとき思い浮かぶのは、ゲーム画面よりも、姉ちゃんと弟と駆け回った太陽と緑の景色だ。

 音楽は記憶のトリガーになるものだ。当時の流行歌などを聴くと、がらりと姿を変えた家庭の寂寞たる情景が思い出されたりするが、たとえファミコンの音源でも、楽しい思い出につながる音があって本当によかったと思う。

 姉ちゃんとはそれ以来会っていない。結婚して、離婚したと聞いたときは、旦那の男を無条件に殴ってやりたいと思った。

寄稿:ぺろた 男 1975年生 茨城育ち 会社員


マリオUSAほど知名度がなく寂しい

 誰にでもひとつはある、隠れた名作。私にとってそれが、このゲームでした。

 4人のキャラを使えるということで、父、兄とキャラクターを決めてプレーしていた記憶があります。父が仕事から帰り、ご飯を食べた後は、決まってドキドキパニック……。単純なゲーム性ながら、秀逸な音楽と面構成に、家族ではまれた素晴らしい作品だったと思います。

 後にキャラクターをマリオたちに変え、『スーパーマリオUSA』として発売されたのも有名ですよね。ドキドキパニックは知らなくてもマリオUSAは知っている人が多いのが、当時遊んでいた私にとっては少し寂しい気もします……。当時の人は、皆そうでしょうけどねw

寄稿:cos 男 1981年生 山形育ち WEBデザイナー


ダマされたと思って買ったら大正解!

 タイトルや発売元からはまったく期待できないゲームでしたが、 ファミコン雑誌の採点で10点満点の8点や9点が並んでいたため、ダマされたと思って買ってみました。

 結果は大正解! 野菜を引っこ抜いて敵にぶつけて倒すという単純な内容ですが、奥が深い。クリア方法を考えるのも楽しかったです。あとで知ったことですが、開発者はスーパーマリオのスタッフだったそうですね、なるほど納得。

 そういえば、「アイドル夢工場」というグループがいましたが、彼女たちはどこへ行ったんでしょうか?

寄稿:南祭 男 1969年生 大分育ち カメラマン


やりこみがきく懐の深さ

 世間を一斉風靡した『スーパーマリオブラザーズ』。このブームに便乗した駄作なアクションゲームは数あれど、このゲームは違いました。しかも作ったのは、名だたるゲームメーカーではなくテレビ局!

 明らかにこのゲームタイトル、画面も一見スーパーマリオのモロパクリ、作ったところもテレビ局で、大多数のファミコン少年少女は思ったことでしょう。「あー、絶対クソゲー。」でも、なぜか私は買ってしまいました。なんで買おうと思ったのか、その動機は忘れてしまいましたが、結論から言いましょう、間違いなく大当たりのゲームです。

 何だろう、確かにROMカセットとディスクの違いはありますが、グラフィック、内容の構成、やりこみがきく懐の深さは完成度高いです。私もクラスの友だちに熱く語りました。最初は半信半疑の友だちも、実際にやってみてつぶやきました。「フジテレビさん、馬鹿にしててゴメンなさい……。」

寄稿:ピチパラキング 男 1974年生 広島育ち 会社員


遊び心をくすぐる要素が満載で侮れない

 これ、発売元がたしかフジテレビでしたよね。おいおい、ついにテレビ局もファミコンブームに便乗か?と思いきや、これがまたとっても面白いアクションです。

 個性豊かなキャラが4人も選べるのと、斬新なアクションがポイントでした。野菜を引っこ抜くのが新鮮で面白かった。さらに、クリア後のスロットや鍵を取って裏の世界へ・・・などなど、ユーザーの遊び心をくすぐる素晴らしいアイディアに溢れていました。BGMも軽快で楽しいし、今プレーしても十分楽しめます。

 フジテレビだと思って侮ってちゃ損します。メーカーで評価すると嬉しい誤算が生じた1本であります。

寄稿:草野団子 男 1974年生 神奈川育ち 物流関係 ホームページ

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