『思い出のファミコン』が本になりました
 

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ファミコン探偵倶楽部II うしろに立つ少女 後編 ファミコン探偵倶楽部II うしろに立つ少女 後編
任天堂
1989.6.30発売
©1989 Nintendo

日常的でリアルな世界観

 このゲーム……ものすごくリアルなんですよ。今のゲームのように実写と見まごうリアルなCGだった、とかもちろんそんな意味では無くて。まるで本当にどこかに「丑美津高校」のモデルのような学校が存在するんじゃないか?と思わんばかりの日常的な世界観と、「こういう人って本当にいそう」とすら思うほど、リアルな心理描写で動く登場人物たち。

 そして何より、最後まで話の節々に登場する、「後ろの少女」の正体は、プレーしたユーザーの想像に任される部分が強く残ります。これがまたリアルに拍車をかけるんです。

 私は個人的に、幽霊とは、存在を臭わせるように話に登場するから怖いのだと思っています。幽霊が堂々と姿を見せて行動したら、せっかくの日常的でリアルな世界観もブチ壊してたでしょう。

 そんな世界観のこのゲームに、当時プレー中はビクビクと、クリア後は一人感動して泣きました。

 先日近所のゲーム店で、GBアドバンス用のこのゲームが投げ売りされてたのを見て思わず購入、DSでプレー。私があゆみちゃんと親子くらいの年齢差になっていたこと以外、「ファミ探」は今も変わらぬ傑作として楽しめたことを報告します。

寄稿:チアキ 男 1976年生 千葉育ち 自営業


怖い以上に、泣けた

 怖かったという人はたくさんいらっしゃると思いますが、自分にとってはそれ以上に、感動した、泣けたゲームでありました。ゲームで泣いたことは、ほかにほとんど記憶がありません。

 どこで泣けたって? それはラストでわかる校長の想いです。当時中学生だった私でも、その親心に感動し、涙が止まらなかったワケです。その時のBGMも絶妙で、今でも思い出しても目に涙が浮かびます。こんなソフトにまた、出会いたいです。

寄稿:knockout0519 男 1972年生 群馬育ち 書店店長


8ビット機だからこその恐怖感

 ファミコン史において、アドベンチャーというのは、ロールプレイング、全盛期のシューティングに比較すると地味なジャンルですが、ドラクエやスターソルジャーのブームに乗り遅れた僕にとって、アドベンチャーは一番楽しめるジャンルでした。

 その中でも最高の出来をほこる本タイトルは、僕の中でファミコン史上最高傑作となっています。秀逸な内容は今なお語り継がれるところですが、その恐怖は「8ビットのファミコンだからこそ」表現し得たもので、最新のハードでは逆に再現できないのではないかと思います。(実際にSFC版では妙に洗練されており、あまり怖くないです)

 あれから15年近く経過していますが、これを超える恐怖には未だ出会っておりません。

寄稿:糞芸大作戦 男 1977年生 京都育ち SE


震え上がる怖さを作り出した演出、テキスト、サウンド

 ゲームをやっていて、初めて「怖さ」に震え上がったのが、この「ファミ探」シリーズだった。特に第2作目の「うしろに立つ少女」は、オープニングからして怖すぎる。雰囲気を出そうと部屋の電気を消してプレーしたのがまずかったのか、クリアした日の夜はマジで寝られなかった。

 ゲームそのものはコマンド選択式のアドベンチャーで、当時としても目新しいものではなかったが、凄かったのはその演出だ。練りこまれたテキストと、秀逸なサウンド。主人公が探偵の助手でありながら、一人で殺人事件の調査を進めたりする設定や展開の強引さはあるが、一度この物語に入り込んでしまえば、そんなことは気にしてられなくなる。

 もうすぐディスクシステムの書き換えサービスも終わる。未プレーの方には、ゲーム環境を整えるのが困難かもしれないが、ぜひプレーして、その結末に震え上がってもらいたい。

寄稿:風雲再起動 男 1971年生 岡山育ち 会社員

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