『思い出のファミコン』が本になりました
 

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ゴルフ ゴルフ
任天堂
1984.5.1発売
©1984 Nintendo

『Wiiスポーツ』でコースが再現

 『プロゴルファー猿』を熱読し、8ビットパソコンが“マイコン”と呼ばれていたあの時代。富士通マイクロシリーズで、ゴルフの三次元シミュレーションゲームが雑誌に機械語コードとともに載っていたのを、小さな懐を抱えて羨望の眼差しを送っていたことを今も覚えています。

 そんな時代に登場した、ファミリーコンピュータのゲームラインナップに加わったこのゴルフゲームは、羨望の的であった8ビットパソコンの三次元シミュレーションを寄せ付けないエキサイティングなものでした。

 当時の貧弱なメモリー環境とプロセッサで再現された、フルラウンド18ホールでスコアを競ったあの日々は、大切な思い出になって残っています。

 このたび発売された、新型ゲーム機「Wii」の同時発売タイトル、『Wiiスポーツ』に含まれているゴルフのコースが、この初代ファミコンのゴルフゲームから厳選9コースを再現したものだと気づいた方はどれだけいるでしょうか。ノスタルジーと古びないゲーム性を衝撃ととも改めてかみ締めた、Wii発売初日でした。

寄稿:MAH 男 1965年生 大阪育ち 会社員 ホームページ


画面の中ではシングルの腕前

 先日、会社の上司に連れられて、はじめてゴルフというスポーツを体験しました。その時、上司に言われたのが、「はじめてやるわりにルールをよく知ってるな」の一言。

 そりゃそうでしょう。何せ僕たちファミコン世代。実際プレーしたことないけれど、画面の中ではシングルの腕前ですもの!っていう人、きっと多いはず。僕は、本物ゴルフは初心者ですが、バーチャルなゴルフならゴルフ暦24年。その初めての出会いがこのゲームでした。

 ウチの家内は、ファミコンをほとんどしたことがありませんので、ゴルフはもちろん、テニス、ビリヤード、アメフトなど、ルールはほとんど分かりません。そういう意味では、僕たちっていい時代にいいおもちゃと出会えたなぁ……と、実際にはなかなかまっすぐ飛んでくれないゴルフボールを目の前に思ってしまいました。

寄稿:ピチパラキング 男 1974年生 広島育ち 会社員


唯一、父親といっしょにプレーした

 父親といっしょにファミコンをしたのはこれが最初で最後。当時、いとこのおじさんが、ファミコンの『ゴルフ』を買ってきてくれました。幼い私にはちょっと無理かなと思いましたが、けっこう熱中してプレーしてました。

 ある時、どういう経緯があったかわかりませんが、ファミコンをまったくしない父親と『ゴルフ』をプレーしていました。ファミコンなんて知らない父親とプレーした『ゴルフ』。とっても楽しかった記憶があります。「どうやれば上手く飛ばせるのかなぁ。」「ちょー、ちょちょいっ、だろ。」父親とそろって、変なリズムでボールを打っていたあの頃。打つ球、打つ球が右の方へ曲がっていく。そんな理由など知らずに父親とプレーしていた日々。

 現在は、まるっきりゲームをしない父親ですが、またいつか、2人でこのファミコンのゴルフをプレーしたいです。父親は覚えているだろうか?

寄稿:yuki 男 1979年生 東京育ち 会社員 ホームページ


初めにして完成度が高かった

 物の本によると、スポーツゲームの中で歴代最も売れたゲームは『ゴルフ』だそうです。そう言われてみると、友だちの家に行けば必ず誰か持っていたような気もします。

 私が一番ハマっていたのは専門学校の寮時代で、他所の部屋の友だちがニヤニヤしながら部屋に入ってくると、それが彼とのファミコン対決の試合開始のゴングの音でした。その中で『ゴルフ』が正式種目にあったのは言うまでもありません。

 数あまたあるゲームジャンルの中にあって、野球ゲームなどの怪物的進化と比べると、ゴルフゲームはいかにも変化に乏しいように思えます。ですが、それは裏を返せば、『ゴルフ』というタイトルが、最初にして相当完成度が高かったことに他ならないとも言えます。

 いろんな時代にいろんな世代と勝負したので、振り返るたびに思い出が違うのもこのゲームだけですね。……また誰かと勝負したいなぁ。

寄稿:濱 竜也 男 1977年生 栃木育ち 製薬関係


恐怖を誘った効果音

 発売当初から売り切れ店続出だったファミコン。そんな状況下でようやく本体が買えた友達が、あわせて買ったソフトが『ゴルフ』だった。

 当時小学生の僕らにとっては、まったく興味が持てないソフトだったけど、どのソフトも売り切れで、在庫が残ってたのがこれしかないのだから、仕方がなかったのであろう。

 そんなゴルフをやってみると、ゲーム中はBGMもなく、寂しかった。鳴る音といえば、「ボー」とゴルフボールが飛ぶ音ぐらい。そして、OBになってしまうと「ビービービー」というモールス信号のような音。

 夜になると、この音が頭の中で鳴り響き、寝られなかったのも、今となってはいい思い出です。

寄稿:くらげ 男 1973年生 北海道育ち Webプロデューサー ホームページ

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