ハイパーオリンピック
コナミ
1985.6.21発売
©1985 KONAMI
厚めのハンカチを指3本に巻いて
このソフトはよく遊びに行く親戚の家にありました。4種目しかないのに真剣にやったり、おふざけでわざと遅く走ったり、幅跳びでは飛ばないで走り抜けてみたり……。
みなさんコントローラーの連打にいろいろな道具を使っていたようですが、わたしはちょっと厚めのハンカチを指3本に巻いてやりましたね。小学生なのに寝る間も惜しんで母とも競いましたね〜。
寄稿:マリー 女 1975年生 埼玉育ち 会社員
必死な連射とクラウチングのままのプレーヤー
小学校5年の時の話である。このゲームは同級生の友だちの家にあった。その友だちの家には高校生になるお兄さんがいて、年の離れた兄弟だった。そのお兄さんとは特に面識もなく、友だちの弟から話に聞くだけの存在だった。
弟はお兄さんがとても好きらしく、とにかくいつも自慢話の連続。そんな初対面のお兄さんと弟、そして私の三人でこのゲームをやったときのことである。
「じゃ、○○くん(私)、対戦してみるか」 「あ……、はい、お願いします」
噂に違わぬ、凛々しい顔立ちのお兄さん。聞けば地域一の進学校に入学。スポーツもできるいわゆる優等生だ。この友だちの家ではライター使用のこすり連射が最強とされていた。が、しかしお兄さんは、「オレは手でやる」と男らしく素手勝負。私も素手で構えた。専用のコントローラー(でかいボタンが2つのやつ)を床に置く。
種目は100M走。スタートの合図とともに連射! テレビを見ずに連射! 隣にいるお兄さんもテレビを見ずに顔を真っ赤にしてこすっている。そのときチラッとテレビを見たら……。一人がクラウチング体勢のまま(笑)。
まさか、自分がボタン押し間違い?と思って連射を緩めたら、走ってるほうがジョギングになる。そう、お兄さんの方がボタンを押し間違えていたのだ(笑)。お兄さんの必死な連射とクラウチングのままのプレーヤー。
「すいません、ボタン間違えてますよ」 「……え?……あっ。」
しばらく笑い転げたな……。
寄稿:コタツみかんにファミコン 男 1982年生 千葉育ち サラリーマン
偶然手に入れた殿様バージョン
私が買った『ハイパーオリンピック』は、限定品の殿様バージョンでした。『8時だヨ!全員集合』が大好きで、そのなかのバカ殿のコントで使われたこのゲームが本当にあったらいいな、と思っていたら、何と正月にたまたま歩いていたデパートにあったのです! コントローラーとセットで1000円引き。これはもう買うしかない、とお年玉で買いました。
1コンがバカ殿なのに対して、2コンは「誰これ?」と言いたくなるキャラで、あまり使いたくありませんでした。でも対戦は盛り上がり、こすると痛くなるので、電池などを使ってやりました。
余談ですが、このゲームに付いてきたコントローラ(ハイパーショット)ですが、他のゲームの対戦中に相手にいたずらするのにも使いました。すまないことをしたと思います。
寄稿:もよもと 男 1976年生 青森育ち 会社員
何を使っての連打が一番強いのだろう
このゲームには専用コントローラーがあり、2つのボタンを交互に連打することで速く走れたりするわけだが、「何を使えば、すばやい連打が可能になるか」ということに、このゲームをプレーしたほぼすべての人が精力をつぎ込んだのではないか?
今のように、インターネットが普及しているわけではなく、仕入れる情報源は全てクチコミという時代、それでもプラスチック定規、100円ライター、まごの手、挙句の果てには黄金の右手から繰り出される気合など、色々な情報が飛び交った。
僕は、母親の化粧水のビンのふたが最高記録を樹立したアイテムなのだが、結局どれを使うのが一番強いのだろう……?
寄稿:ピチパラキング 男 1974年生 広島育ち 会社員
酒蓋持ってプレー
我が家にあったファミコンは姉の物。ソフトも姉が買ったものだったため、ファミコンを支配していたのはいつも姉だった。
やりたい時にやれなくて悔しい思いをしていた私に、父親がクリスマスプレゼントで買ってくれたのが『ハイパーオリンピック』だった。それから毎日姉と2人記録更新にいそしんだ。
しかし、普通にボタン連打していても記録は更新されない。そこで出てきたのが、卓球のボール、金属定規、そして酒蓋。酒蓋は幼なじみが「これでやると記録出るぞ」って教えてくれたものだった。
結果的に一番記録が出たのは金属定規だったけど、やっぱり思い出に残っているのは、酒蓋。だって、小学生が酒蓋持って友だちの家に遊びに行くとかなんて考えつかないじゃないですか。
寄稿:おおちゃん 女 1975年生 神奈川育ち 会社員
いかに笑いをとるかで争った
これには全部で4つの種目があったと思います。100m走、走り幅跳び、ハードル走、槍投げ。このゲームでは、とにかく記録を出すことよりも、いかに笑いをとるかで友だちと争った記憶があります。
・100m走 → 言うまでもなくフライングを2回は確定でやってました。(3回目では失格になるので) ・走り幅とび → 画面上で横に遠く飛ぶよりも、上に高く飛ぶ競争をしていたと思います。当然記録は相当悪いです。 ・ハードル走 → いかにハードルを倒し記録を縮めるかをしていたと思います。 ・槍投げ → たしか、高く槍を飛ばすとUFOが落ちてくるという裏技があったので、そればっかり狙ってました。
こう書くとこのゲーム、今となっては一度でいいからまともにやってみたいと思います(笑)。
寄稿:クラウド 男 1978年生 岐阜育ち インストラクター
連打の方法
ボタンを指で擦る以外に、肉体的な方法では、ピアノ打ち(指二本を使って交互に連打)なんかもしてた気がします。これは人力によるものなので、「正当」と認知されていました。
だがしかし、肉体を酷使することをやめ、僕らはある意味人間らしく道具に頼ってしまい、「金属定規を手で何度もしならせ、その際に発生した振動」を使って、凄まじい連打をする方法を用いてました。今にして思えば、小学生としては、なかなか賢かったような。
あと、電気按摩(肩もみ器?)を使ってブルブルと・・・これは完全に電気の力ですね。もっと知能が高くて、とことん追求する人になると、外部コントローラー端子にIC基盤をくっつけて、電子的に連打したりしてしまうんでしょうかね・・・。
そういえば、連射機能付きコントローラーが出始めたのもこの後くらいからだったでしょうか。
寄稿:Akirarin 男 1975年生 東京育ち Webデザイナー
抱き合わせ販売で購入するもハマった作品
ファミコン本体と一緒に『スーパーマリオブラザーズ』を買いたかったのだがソフトのほうは残念ながら売り切れ。ファミコン本体も単品では売られてなくて、売れ残ったであろう『ハイパーオリンピック』(専用コントローラー付き)と抱き合わせ販売(当時はそんなことがまかり通っていた)。ヤリたい盛りである中学生のボクは、ヤリたくもない『ハイパーオリンピック』とともにファミコン本体を購入。
しかしながら、まったく頭を使わないボタンをひたすら連打するだけという簡単な操作方法が、やりどころのないリビドーをぶつける格好の場所となったのを記憶しています。ボタンを叩くというよりも爪で擦るといったほうが正しいか。抱き合わせ販売でしぶしぶ購入したものの、ボタンの擦りすぎで爪が割れるほどにハマった作品です。
とにかく難しいことは一切なし、ひたすらボタンを叩くだけという超簡単システム、性別、年齢などプレイヤーを問わずダレでも楽しむことができます。
寄稿:ローリング内沢 男 1970年生 東京育ち フリーライター・エディター ホームページ
⇒あなたも思い出コラムを書いて送ってみませんか?
|