『思い出のファミコン』が本になりました
 

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仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド 仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド
バンダイ
1988.2.3発売
©ISHIMORI PRO.TOEI ©BANDAI 1988

2号&X編から始めることをすすめたい

 かつてこれほどまでにセーブ機能が付いていないことを悔やんだゲームはないだろう。敵が強い、道のりは長い、コンティニューも無い、という三拍子揃った極悪ゲームである。

 1号で始めるとパートナーはアマゾン。スピードが超速く、スーパー大切断が強い、頼れる味方だ。V3で始めるとパートナーはストロンガー。超電子ダイナモを買ってからが彼の本領発揮、パワーが超強く、頼れる味方だ。

 しかし2号で始めるとパートナーはX、このコンビは非常に微妙である。2号は足が遅いしXもそんなに強くないため、このゲームをやるときは2号&X編から始めることを強くオススメする。

 決して無理をせず、強い怪人には関わらず、地味にひたすら金を貯める。「本当に仮面ライダーか?」と疑ってしまいたくなる気持ちをグッとこらえ、エンディングを目指すのだ。

寄稿:Peco 男 1979年生 兵庫育ち デザイナー


あの時ともに挫折した友と

 その日、僕と友人の彼は、胸の高鳴りを隠せなかった。

 『仮面ライダー倶楽部』、それは小学校時代、お互いがお互いとも、チャレンジしては挫折を繰り返し、クリアーは不可能なものだと思っていたゲームだ。一度死んでしまうとゲームオーバー。セーブはできない。当時のファミコンではお馴染みのパターンである。

 10年以上の時を経て出会った僕らは、ただ一つの同じ目標、完全クリアーへと一歩を踏み出した。ある夏休みの午後だった。

 一度死んだらゲームオーバー。この条件は、僕らをひどく慎重にさせた。透明の分身を大切に大切に、お金はルーレットで倍々ゲーム。1号を始めたのが午後の3時過ぎ。「ラスボス」らしき奴に、たどり着いたのがやはり夜中の3時過ぎ。十分に強くなり過ぎた僕らが、あっという間にそれを倒した。

 次の瞬間、仮面ライダーが飛び出した。12時間の死闘を制した僕らに、ただ、おめでとう、とねぎらうために。良く意味の分からない背景をバックに。

 「ああ・・・」僕らはため息ともとれぬ不思議な音を出した。僕らはまた一歩、ファミコンの虜になった。

寄稿:ゆきんこ 男 1981年生 北海道育ち 大学生

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