『思い出のファミコン』が本になりました
 

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ロットロット ロットロット
徳間書店
1985.12.21発売
©1985 TOKUMA SHOTEN PUBLISHING CO., LTD. ©1985 IREM CORP.

友だちの誰も持ってなくて軽く自慢

 いまだにあのタイプのゲームに出会ったことがない。左下に潜む蟹にバーを切られてボールを落とされないように矢印で移動させる。友だちの誰も持ってなくて、軽く自慢に思いながら遊んでいた。

 私の12歳上の兄が大学の夏休みに帰ってきたとき、私が遊んでいるのを見て「ちょっとやらせてくれ」と言う。負けるわけがないと、コントローラーを渡して、部屋を離れた。しかし帰ってきたら、私の最高記録を抜いて、さらに続けているではないか。部屋の色も見たことがない色になっている。「お兄ちゃん、勘弁して、私のゲームなのにー!」今で言う、ブログの荒らしにあった気分になった。

 とにかく、ファミコンで遊ぶ時に、毎回はやらないが、思い出したように遊びたくなるゲームだったなぁ。

寄稿:花ひりり 女 1974年生 岐阜育ち 家事手伝い


人一倍遊んだ

 矢印型のカーソルを動かして、それを同じ動きで追尾してくるカーソルをうまく使って玉ころを誘導し、得点を競うパニックアクションパズルゲーム(?)でした。

落としてはいけない部屋は、常に下から顔をのぞかせる「カニ」が大きなハサミを振りかざし、虎視眈々とOUTを狙っている緊張感は、今でも覚えています。

 友だちはクソゲーと呼ぶなか、自分だけは人一倍遊んだ記憶があります。とくに、高得点のゾーンに大量に誘導した時の快感は、待ちに待ったテトリスバーが連続3本落ちてきた時と類似するものがあります。

寄稿:Pietro 男 1972年生 神奈川育ち ゲームショップ店員


親父「本当にあんなんでいいのか?」

 たしか夏。誕生日プレゼントを買いにおもちゃ屋に行った。本命は沢田くんちでやって面白かった『アトランティスの謎』。だけど、『エグゼドエグゼス』も本で見た画面がきれいだったなと思い返す。なかなか決められない。

 親父がイライラして、ゲーム嫌いなくせに『ドラゴンクエスト』をすすめてくる。たしか、池田くんが持ってて面白そうだった。すると、ガラスケースの端に見たことのない箱が目に入った。『ロットロット』? 赤い箱に蟹の絵が描いてある。なんだこれ。聞いたこともない。でも、あれなら誰も持ってない。

 「あれがいい。」つい口に出てしまった。「本当にあんなんでいいのか?」なぜか、その日に限って親父が口をはさんできた。僕は力強く、「ロットロットがいい。」と言った。

 帰宅後、自分がミスを犯したことに気づくのに5分もかからなかった。「おもしれーか?」親父の声。「おもしろいよ。」すぐにでも止めたかったのに、ムキになって結局1時間くらいプレーした。

寄稿:みなお 男 1975年生 千葉育ち 会社員

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