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森田将棋 森田将棋
セタ
1987.4.14発売
©1987 SETA

週末の午後11時、浴衣姿の父親が。

 これは我が家のソフトとして特異な存在でした。というのも、いわゆる、三大父親専用ソフトのひとつだったから(あとは『役満天国』『プロフェッショナル麻雀悟空』)。

 父親は昭和11年生まれで、それほどファミコンには関心がなく、子どものおもちゃとして捉えてました。しかし中学2年時に、私が麻雀をやっている友人から勧められて、『プロフェッショナル麻雀悟空』をディスク書き換えした時から、父親のファミコン歴が始まりました。1989年のことです。

 サラリーマンであった父親は、決まって金曜・土曜の夜11時から1時間ほど、「麻雀悟空」をやり始め、それに飽きたのか、しまいには自ら『森田将棋』を購入してきました。Lv.1では簡単すぎ、Lv.3ではコンピューターの思考時間が長すぎたらしく、いつもLv.2で行ってました。結局、2000年まで11年間、Lv.2の『森田将棋』ばかりやってました。よく飽きもせずに……。

 父親は2000年に亡くなってしまいましたが、『森田将棋』と聞くと、週末の午後11時、居間で浴衣姿の父親があぐらをかいて、背筋を伸ばして、画面に向かっていた記憶が蘇ります。

寄稿:バルガス・マルケス 男 1975年生 千葉育ち 大学関係

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